楽しいこと大好き大学生の日常

簡単な日常についてのボヤキ等いろいろだらだら発信します(笑)

シンガポールで大勝負!? 生活を賭けていざ決闘! #10(最終話) ついにカジノ決着!絶望からの奇跡の復活、そしてまた絶望へ。これだからカジノはやめられないのだ。

前回までのおさらい

ma-janhossy.hatenablog.com


ついにブラックジャックでの最終決戦を迎えた星野。しかし、負けが込み追い込まれてしまう。そこで思い出したのが”カジノを楽しむ”という純粋無垢な”あの時の”気持ちだった。

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3万円をチップに変換してもらう。
チップの重みを感じる。1戦1戦を噛み締めよう。

 

そして楽しもう。

 


星野「カモン」

謎の発声。

 

 

ディーラー: 8
星野: 9 10

流れの変化を自覚する。

星野「ステイ」

 


ディーラー: 8 10
星野: 9 10

 


星野「ナイスぅ」

 

勝利を噛みしめる。
”勝って当たり前”と思った時、人は愚かになるのだ。

 

傲慢こそカジノの敵である。

 

勝利をしたことで、チップを受け取る。
星野「ありがとうございます」

 

 

感謝の気持ち。ディーラーも笑顔になる。
一歩一歩積み上げていこう。

 

星野「カモン」

ディーラー: 7
星野: 3 3


この時の戦略は非常に難しい。ベーシックストラテジー的にはスプリットの局面である。

※ベーシックストラテジーとは?
賭け方の指針みたいなもの。どこかの誰かが確率を全て算出したらしい。この指針を頭にインストールして臨めば、勝率がアップするというもの。

※スプリットとは?
プレーヤー側に同じ数字のカードが2枚入ったときにプレーヤー側が取れるアクションの一つ。この場合、3と3を2つに分けそれぞれにもう一枚カードが追加される。その際、最初に賭けた掛け金をもう一度置く。


今までの星野なら、ベーシックストラテジー至上主義の星野なら・・・
ノータイムでスプリットだろう・・・

だが・・・

 


この時ある予感がした。
カードが語りかけているのだ。

 

ちなみにクスリはやっていないのでご安心を。

カード「僕はローカードだよ」

 

※ローカードとは?
2から6といった比較的数字が小さいカードのこと

 

見聞色の覇気が覚醒する。信じる。己を。
そして、コールする。

星野「ヒット」


ディーラー: 7
星野: 3 3 5


カードは語る。その声に耳を傾ける。


カード「僕はピクチャーだよ」

また聞こえる。カードの声が。

 


ディーラー: 7
星野: 3 3 5 10

 


ディーラー: 7 2 9
星野: 3 3 5 10

 


勝利。

その後も、攻防を繰り返す。
流れに逆らわない。

 

数戦重ねた。
気づくとあの絶望の状態から1万円巻き返していた。

 

 

だが、またそこから少し負け始めた時、星野は一つの決断を下す。

 

星野「台を変える」

 

とてつもなくでかいビックウェーブを起こす必要があった。
ここから今までの負けを取り返し、さらに勝っていくためには大きな勝負ができる台に座る必要があったのだ。

 


そして一行は、すでに何人かのプレーヤーが座るテーブルへと向かう。

ネコ「俺もやるよ」

心強い。もう一人じゃない。

 

ディーラーは中国系の男の人だった。そして、今まで見てきた人の中でも少し年齢が上の人であった。30代くらいだ。落ち着き半端ない。


テーブルに座っている人たちを軽く紹介する。
一番右の席には中国系のアラフォー女性2人組(以下マダム)が座っていた。
すごい陽気な人たちで調子がいい人を見かけると、その人にも自らのチップを賭けていた。

 

真ん中には、見るからに優しそうな60代ぐらいの男性(以下牧師)が座る。
賭け方も穏やかである。

 

ただ牧師はジャックポットチャレンジ(詳細は前回の記事)に一定額をかけていた。
甘いマスクの下には野心家な部分もあるのだろう。そのギャップがまた博徒であることを物語る。

 


そしてその隣には自分たちと同じ日本人男性が座っていた。
星野「日本人ですか」
大学生「そうなんですよ!大学生ですか?」
星野「そうです!調子はどうですか?」

 

コミュニケーションを嗜む。旅行先で日本人を見ると妙に親近感がわくアレである。

 

大学生「ぼちぼちですね。結構カジノは来られるんですか?」
星野「そうですね。8回ぐらいきてます。」

 

うっかりマウントを取ってしまった。相手の顔が少しひきつる。

 

星野「あ、でもシンガポールのカジノは初めてです☺️」

すぐさま訂正する。

大学生「すごいですね。頑張りましょう」

プレーヤーはみな仲間である。共闘を誓った。


ディーラー「ノーモアベット」


勝負が始まる。ここで決める。
最初の数回は2000円ベットを続けた。一進一退の攻防である。

 


ディーラー:6
星野:2 2

 

 

勝負回がきた。心臓の音が聞こえる。
ここで負けたらズルズルいってしまいそうな予感がしたからだ。

 


星野「スプリット」

スプリットを宣言する。するとマダムが自分のところに賭けてきた。

マダム「グッドラック🤞」

 

背中を押された気がした。後ろのマレーシア人も星野にベットする。
もう一人じゃない。

 

 

俺には”仲間”がいるよ!!!


ディーラー:6
星野:2 8 and 2 9

 

きている。流れが。
心臓がはちきれそうだ。

 

頭に血が上りまくる。
その時だった。

 

星野「ぴ〜くちゃ、ぴくちゃ、ぴ〜くちゃ」

 

完全に、ば〜にらバニラば〜にらのパクリ。突然思いついたメロディーを口すざむ。
隣のネコ、後ろの二人、そして大学生は爆笑する。


ただもう一人笑っている人がいた。
ディーラーだ。

 

あの落ち着き払ったディーラーが、この謎の”バニラリズム”に笑っているのである。
少し緊張が取れるものの緊迫した場面。


牧師「ピクチャープリーズ」

なんか。胸が熱くなる。

 


ディーラー:6
星野:2 8 10 and 2 9

 


一同「うぉーーーーーーーー」
  「ナイスぅ」

歓声だ。ゴール決めた後のリオネル・メッシのような気分。

 


トシが静止する。

 


星野「ぴ〜くちゃ、ぴくちゃ、ぴ〜くちゃ」 手拍子ver

 

調子に乗り始めた。一つ勝って一つ負けても結果的にはドローだからである。
負けはないと思った瞬間のこれである。

 


ディーラー:6
星野:2 8 10 and 2 9 10

 

一同「ナイスぅぅぅ!!!!!!」

 

思わず席を立ち上がる。後ろのマレーシア人と熱いハイタッチを交わす。
マダムとは視線で語り合う。「勝ったよ」と。

 

 

うるさい。

 

 

間違いなくこのジャパニーズはうるさかった。
トシがまたしても静止させる。

 

ただ、興奮がなかなかおさまらない。
カジノに言語の壁はないことを痛感する。こんなに素晴らしい感動・エンタメは国境を越えるのだ。だからカジノは面白いのだ。


だが、まだ勝負は終わらない。
気は抜けない。ディーラーが21を出す可能性があるからだ。


星野「バーストプリーズ」

もう自分だけ勝てばいいとは思わない。今度は打って変わって応援する側に回る。
ディーラーバーストにより、みんなで喜びたい。


みんなで勝ちたい。
切実にそう思う。


ディーラー:6 10


一同「ピクチャーーーーーーーーーーー」

ディーラー:6 10 10


ディーラー「バースト」


一同「ナイス!!!!!!!」


みんなでハイタッチをする。
肌の色や言語、身分、立場など関係ない。


みんなで。チームとなって。喜びを共有する。
いいテーブルに恵まれた。


この勝利で一気にプラス8000円。
この流れを逃さない。


星野「強気の4000円ベット」

 

後ろの韓国人、ネパール人、マダム。
援護する。みんなの思い。背負うよ。


このゲーム、牧師がブラックジャックを出した。

 


ボタンが出される。

星野「ワンハンドレッド🎶 ワンハンドレッド🎶」

✖️100を祈る。牧師はさっきのゲーム、まるで自分ごとのように星野の勝利を祈っていた。
本当にこの人には勝ってほしい。


牧師「カモン!!!」

画面「✖️3」

牧師「Oh, No.」

 

だがその顔は笑っていた。場の空気は悪くならない。むしろみんなで笑う。
”大丈夫。次もきっとチャンスはくるさ”と

 

ネコもブラックジャックを出す。みんなで祝福する。
最高にイカしてるぜ。このテーブルは。


ディーラー:3
星野:6 3


この流れはダブルだ。もう躊躇しない。

 


星野「ダブル」

韓国人、ネパール人、マダムとみな星野と同じくチップを上乗せする。

負ける気がしなかった。

 


ディーラー:3
星野:6 3 A(エース:11)


確変だ。とてつもなく強い。


星野「よっしゃぁ」

後ろにいた韓国人とネパール人と拳を付き合わせる。

そしてリオネル・メッシバロンドール最終候補まで選ばれた気分。


一同「ディーラーバーストプリーズ」

ディーラー:3 7

星野「かめかめかめかめ」

 


ディーラー:3 7 5

絶望を乗り越える。

ディーラー:3 7 5 10

 


絶望が希望へと・・・

 


一同「ナイスぅぅぅぅぅぅぅぅ」

ボルテージは最高潮。各自が持ち金を増やす。
ネコも今のでプラス5000円、星野はプラス8000円。

 

 

とどまることを知らない〜

Tomorrow Never knowsが頭の中に流れている。

 


トシ「マジできてる。流れ」

 

 

後ろの二人も興奮している。
どんどんテーブルに人が集まる。
ブラックジャックミニマムベット2000の安いテーブルにこんな人が集まることなんてあるのだろうか。

 

本来はバカラ10万円ベットのようなベット額の高いテーブルに人は集まる。
そりゃぁそうだ。でかい金が動くことに人は興味を示すのだから。


しかし、今この時この瞬間。
一番盛り上がっていたテーブルは間違いなくこの台であった。


次ゲーム。
マダムがブラックジャックを発動する。
まずは切り込み隊長が決めてくれた。

 

そして待ち受けるジャックポットチャレンジ。

 

星野「ワンハンドレッド🎶 ワンハンドレッド🎶」

テーブルをリズムよく叩きながら念じる。みんなも手拍子で応援する。


画面「✖️100!!!!!」

一同「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」


発動する。ジャックポットが!!!!

 

1000円賭けていた。10万円になった。すごい。すごすぎる。
かなり羨ましい。

マダム「チップ!」

カジノに5000円ぐらいチップを渡す。ディーラーも笑顔。みんな笑顔だ。


続いて牧師もなんと2度目のブラックジャックを出した。
歓声が止まらない。盛り上がり方が異常。
みな2連続の100倍を祈る。

画面「✖️5」

牧師、なかなかキング牧師になれない。


だが笑顔。笑顔を絶やさない。だから周りも笑顔になる。
そして、この男がまたしても魅せる。


ディーラー:7
星野:8 8


絶好球。しかも今回はなんと6000円賭けていた。
その時にこの手。怖いほど手がきてる。
だが、ディーラーの手も悪くないので、一気に地獄に落とされる可能性もあるこの局面。


この時点で一人笑顔になった人がいる。


後ろのマレーシア人だ。

 

なんと星野のペアベットに1000円賭けていた。11000円になる。
ハイタッチを交わす。

 

ここまで人に感謝される機会もなかなかない。
自己承認欲求が満たされる。

 

そんな場であるのだ。マリーナベイサンズカジノは。


星野「スプリット」


やるしかない。
止まらないこのドキドキ。心拍数120はゆうに超えている。

 

この時点で12000円。軽く吐き気がする。
過去最大のベット額である。


ただ皆が応援してくれる。
ギャラリー含め全ての人間が次の1枚に注目する。


ディーラー:7
星野:8 3  and 8 10

 

右はなかなかにいい。
問題は左だ。

 

6000ベットでここでダブルベットすると12000。

もしここで2つとも負けるようなことがあれば・・・

終わるのだ。確実に息の根が止まる。敗北が決定的。

 

リトル星野A「ここは普通にダブルとかせずにヒットでいいんじゃない?」

リスク回避型らしいリトル星野Aは。

 

リトル星野B「いっちゃいましょう!ダブル。」


リスク愛好型の星野が顔をヒョコんとのぞかせる。だが今までとは額が違う。
はちきれそうだ。心臓が・・・


フラッシュバックする。これまでのシンガポール旅行を。
本当に楽しかったのだ。
この3日間は笑いの連続だった。


そして、はっきりと言えることがある。


シンガポールが楽しい以上に、このメンバーでシンガポールに行けたことが楽しかったのだ。


旅がダレることなく、旅行プランを立ててくれ、高級マンションで快適に過ごさせてくれた御曹司。
時計を壊したくだりも面白かった。プールで謎の暴走をした時も面白かった。


パスポート事件によって合流が遅れたネコ。
1日目にシンガポール旅行最大のハプニングを起こしてくれただけで最高であった。
そして、プール飛び込みで抜群のポテンシャルを発揮してくれた。


そして、いつも一緒にいるトシ。
今回も安定のクオリティ。星野のほしいところに絶妙なパスを出してくれる。
まさにイニエスタ級であった。

 

そんな旅行をカジノに負けたことによるバッドエンドで終わらせて果たしていいのであろうか?
ならここでやめておいたほうが・・・

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トシ「星野さんは勝つか負けるかのどっちかでしょ」

御曹司「星野にはバカ勝ちしてほしい」

ネコ「星野が勝ってるところが見たいな」

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会話を思い出す。

御曹司「行くしかないっしょ」

星野「ダブル」

 

ディーラー:7

星野:8 3 10  and 8 10

 

 

このピクチャーが何度でも俺を蘇らせる・・・

 

 

ディーラー:7 10
星野:8 3 10  and 8 10

 

ダブル勝利。
バロンドールを受賞した。


そこからさらに10連勝した。4000円ベットを続けていたため40000円ほど勝ってしまったのだ。


そしてこの間
間違いなくこのカジノテーブルで一番場を回していたのは、リオネルほっしであった。


10連勝が終わり、流れがまた傾いた時であった。


御曹司「ここで絶対やめた方がいい」


この後にいナイトショーがあるということもあって、辞めることにした。
今思えばこの決断は英断であった。

 

てかよくやめられたと自分でも思う。

 

御曹司ありがとう。


そして、カジノ会場を後にする一行。
笑顔が止まらない。

 

 

そのままナイトショーを見る。
綺麗であった。まさに旅のフィナーレに相応しかった。

 


多幸感とはまさにこのことである。

そして帰宅した後は運命の精算タイムである。

 

結果的に85000円プラスであった。
12万円ぐらいお財布にある。


絶望からの逆転とはまさにこのことである。生き残ったのだ・・・

 

その場で御曹司にフライト代の45000円を返還する。
ツイッターから「御曹司に45000円」を削除する。


そして、羽田空港でネコから借りた20000円を返す。
まさか、同時に返すことができるとは思わなかった。

 


そして帰宅した後、親に50000円を返す。

 

なんとそれでも5000円残っていたのである。
どんだけ人にお金を借りていたか、改めて星野のクズっぷりがわかっただろう。

 


そして、2時を回っていたのだがそこから振り返りタイムを4人で始めた。
初日、合流からここまでの出来事を4人で思い出しながら振り返るという時間である。

 

これが案外面白かった。2、3時間ぐらい話し続ける。

それほどまでに内容の濃い旅であった。

 

 

気づいたら朝になっていた。
荷物をまとめ、覇王にお礼を言い、星野と御曹司は先に日本に帰ったのである。


                                おわり

 

 

 

 


そして、その1ヶ月後星野は韓国で8万円の大敗を喫したのだから、カジノは何が起こるかわからない。


                             本当のおわり

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ここまで長い間、ご愛読していただきましてありがとうございました。
今後も一部、表現を変更したりしながら面白くしていきますので、また読みに来てください。

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